下顎6の電気歯髄診は、近心頬側咬頭で判断するとよい。

・20-25歳の下顎大臼歯を用いて、どの部分に電気歯髄診査の電極を当てると一番反応しやすいかを1120回行い調査した文献では、近心頬側咬頭が最も反応した。

この理由は、電気歯髄診で反応するA繊維が多く密集する髄角の部分は最小の電流で、比較的早く強い反応を示すと述べられている。
(参考文献)
Lin J, Chandler N, Purton D, Monteith B. Appropriate electrode placement site for electric pulp testing first molar teeth. J Endod 2007 ; 33(11) : 1296-1298.
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ある研究報告では、精確さがそれぞれ、冷試験:86%、温熱試験:71%、電気歯髄診:81%という結果で、どの検査方法を用いても100%歯髄内の状態を正確に診断できるわけではないと結論付けられていますが、下顎第一大臼歯の電気歯髄診では近心頬側咬頭が最少の電流で、比較的早く強い反応を示したことが明らかになっています。
下顎大臼歯の主機能部位は頬側遠心咬頭と遠心咬頭の内斜面間になることが多いことから考えると、近心頬側咬頭が少ない刺激で反応するのも納得がいくような気がします。

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