フラップレス・サージェリーは、最先端医療なのか。

・フラップレスサージェリーを積極的に取り入れている歯科医師は、痛みも少なく、出血も少ないのだから、「誰よりも患者本人のためになっているではないか」というかもしれない。
確かに、CTを用いて三次元的な顎骨形態を充分に把握したうえで、将来の口腔内、全身的な状態の変化を考慮したうえで、治療計画の立場に基づいて実施されるならば、フラップレス・サージェリーでも問題ない症例はあると思われる。
しかしながら、流行だから、先進的だから、あるいは患者獲得に有利だから、といった不純な思いが先に立ち、現実にはインプラントが骨内に収まっていない、頬側に大きく露出している、あるいは骨面への埋入深さが不適切といった症例がみられるのも事実だ。
そもそも、インプラントの手術によって痛みなどの症状が続くのは、せいぜい2-3日程度のことで、インプラント埋入手術後、患者の7割は帰宅後に鎮痛剤を追加服用していないというデータもある。
そのわずか2-3日の問題を回避するために、不動粘膜を無視してフラップレス・サージェリーを行うことで、場合によっては患者の苦しみは一生続く。
どちらに重きを置くべきか、医療の本質を考えれば、おのずと答えは出ているといえるだろう。
(埋み火  小宮山弥太郎  より)
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私も小宮山先生の考えに同感です。
近年、フラップレス・サージェーリー、ガイド・サージェリーが最先端インプラント治療のように謳っている歯科医師もいますが、得られるものを考えれば、従来のインプラント手術で十分ではないかと考えています。
インプラント手術は、「何となく、怖い。」あるいは「痛いのでは?」と考えている患者さんも少なくありませんが、実際は、臭いや味の不快感のある下顎の親知らずの抜歯の方が痛みや腫れが大きいことの方が多いです。

2014年12月 5日

hori (07:58)

カテゴリ:インプラントの偶発症

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