TiUniteインプラントは、TiOblastインプラントのおよそ2倍のインプラント周囲炎の罹患率を記録。

・DERKSらは、スウェーデン人588名で2277本のインプラントのインプラントを9年間フォローアップし、インプラント周囲炎の罹患率を研究した。
BoP陽性あるいは排膿と0.5ミリ以上の骨吸収を軽度のインプラント周囲炎、そしてBoP陽性あるいは排膿と2ミリ以上の骨吸収を中等度・高度インプラント周囲炎と定義したところ、軽度のインプラント周囲炎が45%で、14.5%が中等度・硬度インプラント周囲炎であった。
Straumannインプラント(すべてSLAインプラント)が32.6%、Nobel Biocareインプラント(8.3%が TiUniteインプラント)が39.4%、Astra Techインプラント(96.6%がTiOblastインプラント)が18.4%であった。
(参考文献)
Nickening H. Wichmann M, Schlegal KA、et al. Radiographic evaluation of marginal bone levels adjacent to parallel-screw cylinder machined-neck implants and rough-surfaced microthreaded implants using digitized panoramic radiographs. Clin Oral Implants Res 2009 ; 20 : 550-554.
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いずれも大手のインプラントメーカーですが、各メーカーのインプラントの表面性状によって、かなり異なることが分かります。
表面性状がTiUniteのNobel Biocareインプラントは、表面性状がTiOblastのAstra Techインプラントのおよそ2倍のインプラント周囲炎の罹患率を記録しました。
表面性状がTiUniteのNobel BiocareインプラントはALL on 4で有名ですが、個人的には意図的に傾斜埋入を行っていることも、インプラント周囲炎の罹患率が高い原因となっているのではなかろうかと考えています。
どのメーカーも自社製品の優位性へ多少のバイアスがかかる傾向もありますので、利益相反がない(と思われる)論文をベースにして、私たち歯科医療従事者は使用するインプラントも選択していかなくてはなりません。

2017年10月 1日

hori (00:43)

カテゴリ:インプラント周囲炎

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