統一されたインプラント周囲炎の診断基準が存在しない?!

・診断基準の違いによって生じるインプラント周囲炎発症率の差
インプラントレベル 最大値36.60% 最小値5.40%
患者レベル    最大値47.10%  最小値11.30%
・X線写真でインプラント周囲骨の吸収が認められるからといって、それが即インプラント周囲炎/感染の存在を意味するものではないということである。
このような骨吸収にインプラント周囲粘膜炎が併発すると、インプラント周囲炎と誤診される可能性が指摘されている。
そこで、インプラント周囲炎の診断基準が重要となるのだが、残念ながら世界的に統一された診断基準は存在しない。
文献で報告されているインプラント周囲炎の発症率に大きなばらつきがあることは知られているが、その大きな原因の一つは研究ごとに異なる診断基準である。
同一集団でもインプラント周囲炎の診断基準の設定によってインプラント周囲炎の発症率が大きく変動することが報告されている。
(クインテッセンス・デンタル・インプラントロジー 2016年 VOL.23 4 )
*****
世界的に統一されたインプラント周囲炎の診断基準が存在しないがゆえに、診断基準の違いによってインプラント周囲炎の発症率が、それぞれの研究報告によって大きな差があることが分かりました。
骨吸収があり、インプラント周囲に炎症が認められれば、少なくても日本では、インプラント周囲炎と診断されるケースが多いのではないでしょうか。
早い時期の対処が期待されます。

2016年9月30日

hori (14:44)

カテゴリ:インプラント周囲炎

« 重度歯周病患者の口腔内でもレッドコンプレックスの割合は少ない。 | ホーム | 昨今、インプラント治療で骨火傷がクローズドアップされつつある理由 »

このページの先頭へ