野球選手は、歯の外傷が多い。

・外傷のうち、顎口腔領域にのみ焦点を当てると、天笠(2002)によれば、競技別で外傷の割合を調査した結果、1位:ラグビー(21.6%)、2位:スキー(20.3%)、3位:野球(13.5%)、4位サッカー(10.8%)と報告されています。
 一方、小池ら(2017)の調査では、1位:野球(39.1%)、2位:バスケットボール(18.8%)、3位:サッカー(12.5%)、4位:バレーボール(10.8%)と報告されており、地域性や時代にある程度影響を受けることが推察されます。
また、顎口腔領域の外傷の原因の中で、スポーツは17.8%を占めると報告されており、顎口腔外傷のうち35.9%が骨折、23.4%が歯の外傷、18.8%が軟組織の損傷と報告されています。
沢木ら(1990年)も同様に、顎口腔領域の外傷の約15%がスポーツによるものであり、原因別のランキングでは、スポーツが交通事故に次ぐ2位に挙げられると報告しています。
(参考文献)
小池尚史, 菅野貴浩, 辰巳博人, 狩野正明, 渡邊正章, 大熊里依, 吉松英樹, 関根浄治. スポーツに関連した口腔顎顔面外傷における臨床的検討. 口腔顎顔面外傷 2017 ; (1): 32-36.
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個人的には野球選手の外傷が多いことに驚かされましたが、地域性や時代の影響を受けているようにも感じます。
スポーツによる外傷でインプラント治療を希望される患者さんもいるので、ご自分のやっているスポーツがどの程度、外傷リスクがあるかを予め把握しておくことも必要かと考えています。

2018年12月15日

hori (08:48)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

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