なぜ、口腔内清掃状態が良くても歯周病が良くならないのか?

・歯周病は歯周病原細菌による感染が原因だと考えられているが、口腔内の清掃状態が良くても歯周病が良くならないケースもあり、そのすべての原因はいまだ分かっていない。
研究者の中には歯周病に夜間の歯ぎしりが関連しているという意見もあるが、実際の噛みしめを長時間記録することができずにアンケート調査等でしか情報を得られなかったため解明されないままだった。
そんな中、岡山大学病院咬合・義歯補綴科の加藤聖也医員と予防歯科の江國大輔准教授らの研究グループが、独自開発した長時間記録装置を用い、食いしばりや歯ぎしりといった昼夜の噛みしめが歯周病の重症度に関連していることを発表した。
研究グループは、頬に記録用の電極を張ることで、噛みしめをしたときに頬の筋肉から発生する微弱な電気を記録する携帯型の24時間記録装置を開発。
その装置を用い昼夜の無意識の噛みしめを検査した。
その結果、日中、目が覚めている状態にもかかわらず歯周病が重度な人は1時間あたり平均6.2分間も無意識に強く噛みしめていることが判明。
それに比べ、歯周病が軽度な人は1時間あたり平均1.4分間で、歯周病の重症度が噛み締めに関連していることが分かった。
また睡眠時では、歯周病が重度な人は1時間で平均2.5分間、軽度な人は平均0.7分間噛みしめており、昼間より夜間の方が噛みしめの時間が短いことが分かった。
噛みしめというと、睡眠時の歯ぎしりが連想されるかもしれないが、今回の研究で歯ぎしりの自覚が実際の噛みしめと一致していないことが分かったことも大きい。
(Dentalism WINTER 2018No.33 )
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口腔清掃状態が良好でも歯周病の状態が悪い方がいます。
この報告にもあるように、近年、夜間の歯ぎしりよりも、昼間の噛みしめの方が歯周病への悪影響となっていることが明らかになりました。
また、昼間の噛みしめは本人の自覚がないことも当院での調査とも一致しています。

2018年12月 5日

hori (14:40)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

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