対合歯の種類によって、補綴物のマテリアルは変える方が良いかもしれない。

729本のインプラントに998のメタルセラッミクス(単冠390、ブリッジ94)を装着したところ、ブラキシズムのあるものはないものと比較して有意に破折した。
また対合歯が天然歯の場合と比較して、インプラントの場合に有意に破折が生じ、天然歯と比較して、約7倍破折のリスクがあった。
(参考文献)
Retrospective analysis of porcelain failures of metal ceramic crowns and fixed partial dentures supported by 729 implants in 152 patients : patient-specific and implant-specific predictors of ceramic failure. Kinsel RP, Lin D. J Prosthet Dent 2009 ; 101(6) : 388-394.
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メタルセラミックスといっても、咬み合わせの面がメタルのタイプのものと、咬み合わせの面がセラミックスのタイプのものがあります。
前者がパーシャルベイク、後者がフルベイクといいます。
パーシャルベイクのメタルセラミックスとフルベイクのメタルセラミックスが咬みあった場合、破損の多くはパーシャルベイクのメタルセラミックスです。
そうなると、インプラント対インプラントの咬み合わせで考えるのなら、上下ともにパーシャルベイクのメタルセラミックスを選択すれば破損の頻度や程度は減らせる可能性があるかと思います。
しかしながら、下顎臼歯部でパーシャルベイクのセラミックスを選択してしまうと、お口を開いたときにメタルが見えてしまうという欠点があります。
そのため、セラミックスを築盛しないフルジルコニアのようなマテリアルを選択することも今後は考えられると思います。

2016年6月 1日

hori (15:20)

カテゴリ:インプラントと過剰な力

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